古典であるべきか、前衛であるべきか
突如、《ジャガー》がブランドアイデンティティを大胆に刷新した新たなロゴを発表。これまでの装飾的なロゴから一転、極めてミニマムなタイポグラフィーの組み合わせによるグラフィックは、トラディショナルなブランドでありながら過去を顧みない意気込みを感じさせる。ファッションシーンでみれば、〈バーバリー〉をはじめ〈サンローラン〉や〈バレンシアガ〉など、歴史あるブランドがデジタル上での視認性を高めたロゴへと移行して、リブランディングを一通り終えた印象が強いが、自動車業界では〈BMW〉や〈VW〉が同時期にいち早く対応したのを考えると、ようやくジャガーも適応したともいえなくはない。
ただ、ジャガーは戦前と戦後の黄金期からというもの、ここ近年のフォード傘下以降、現在のインドのタタモータズ資本の〈ジャガーランドローバー〉となり、同グループの〈ランドローバー〉との存在感と比べると、今一歩といった印象を否定できないだろう。革新的な分野では、唯一、Googleの自動運転による無人タクシー〈ウェイモ〉のベース車両が、EVのジャガー・I-PACEであることくらいで、DRVETHRUの記事の中で、ジャガーを紹介するのが今回が初めてであることもその証拠といえる。そんな中、今回の発表は、かつての栄光にすがることのない潔さがみられ、生き残りをかけた生存戦略としてジャガーが打って出たきた感を受け止めることができるだろう。新たなロゴを装着したモデルこそ、これからの発表となるようだが、またここで紹介できることを切に願っている。
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