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ヒョンデとの
ロードトリップ

  • 2022.9.13
  • TEXT SHOGO JIMBO
  • PHOTOGRAPH MIE NISHIGORI

偶然が偶然を呼ぶ
あるミーティングで長野県の野沢温泉が話題になった。そういえば、DT117クーペの撮影で真冬の豪雪地帯を旅したことを思い出し、雪解けの今はどんな場所なのか、思いを巡らせていたところ、その数時間後に、ヒョンデから野沢温泉での取材依頼が舞い込んできた。妙な偶然を感じ、ちゃんと取材内容も確認せずに、二つ返事で引き受けたのがこのストーリーの始まり。いま一度、都内から野沢温泉までの距離を調べると、およそ300km弱。EVの長距離テストにちょうどいいと思った我々は、ANYCAのヒョンデ・IONIQ 5で現地を目指した。

都内を出発したのは、日の出間もない午前4時過ぎ。眠い目を擦りながらなのスタートではあったが、朝陽の美しさで、すぐに目が覚める。

長野市内を寄り道
IONIQ 5の高速巡航は快適そのもの。ドライブモードをスポーツモードにして走るのも楽しいが、スマートクルーズコントロールを使ってのんびり走るのも悪くない。途中で立ち寄った長野市内では、偶然なのか必然なのか、ポストカーと遭遇したり、七年に一度の<善光寺>の御開帳や、長野オリンピックゆかりの建築物にも触れるなど、充実した寄り道を満喫。長野はてっきり涼しいものとばかり思っていたが、6月中旬とはいえ、気温はグングンと上がり35℃を増す猛暑日へ。

長野市街から野沢温泉を目指す。以前、訪れた際は、一面、銀世界の雪景色がだったが、初夏の新緑に包まれた山々もまた美しい。

NEXOをテストドライブ
長野市街から野沢温泉までは高速道路を使って1時間弱。古き良き日本の温泉地として知られる野沢温泉は、街のあちこちに共同浴場が点在するローカルな雰囲気と、冬場は上質なパウダースノーを求めて世界中からウィンタースポーツの観光客で賑わうグローバルな場所。そんな土地で、ヒョンデの燃料電池車「NEXO(ネッソ)」をテストドライブ。温泉地からスキー場へ続くキツめな勾配のワインディングロードもグングンと軽快に走っていく。想像以上にしなやかなハンドリングには、正直、驚かされた。内装のスイッチ類の質感も良し。

どうも野沢温泉は温泉とスキーだけではなかった。試乗を終えて訪れたのは「LIFE FARMING CAMP」。

自分の人生と重なるクルマ
今回の旅の最大の出会いとなったライフスタイリストの大田由香里さん。ファションスタイリストとしてキャリアをスタートし、現在は 衣・食・住 をスタイリングするライフスタイリストとして活躍中。数年前から、都内と千葉にあるトレーラーハウスで二拠点生活をおくるようになってから、クルマは単なる移動手段ではなくなったという。
「自然の中で過ごす時間が心地よく思えるようになってから、毎週末の長距離移動が必須になりました。大好きな自然を少しでも守るために、環境負荷を軽減できるモビリティが気になるようになりました」
そんな大田さんは、今まさに次なるクルマを探し中とのこと。どんなクルマが好みか聞いてみると
「価格や性能、デザイン以上に、どんな未来を描いて開発されているかを重要視しています。たとえ既存のクルマよりも性能が劣っていたとしても、環境への配慮や理念が上回っているクルマを選びたいですね。あと、多様化する中で、自分の人生と重なるクルマを見つけたいです」

新たなクルマの常識
IONIQ 5との往復600キロのロングトリップは、航続距離はまったく問題なく、むしろ充電スポットに辿り着くと、まさかの満車という場面もあったが、バッテリー残量は常に余裕があったので、無理なく都内まで戻ってくることができた。帰りの渋滞では、前方車両を追従する「スマートクルーズコントロール」の快適さもあってテクノロジーの進化に感動。
それにしてもライフスタイリスト、大田さんが教えてくれたように、未来をどのように描いているかを意識したクルマ選びは、益々、重要になってくるように思える。結局のところ、地球の未来と共存できるモビリティを真剣に開発していかない限り、地球環境は良くなるわけもないだろう。このままでは、昨今の自然災害はより深刻になりえる。そういった意味でもヒョンデの IONIQ 5 や NEXO は、環境に配慮したモビリティとして、多いにポテンシャルを秘めている。それに同じブランドながらこの2台の乗り味が全く違うことに我々はヒョンデのモビリティの奥深さを知る旅となった。

ヒョンデ・IONIQ 5|グレード:Voyage|ボディカラー:デジタルティールグリーンパール|インテリアカラー:ブラックモノトーン|搭載バッテリー:72.6kWh|価格:¥5,190,000