WHITE
OUT

銀世界の誘惑

  • 2020.2.19
  • TEXT SHOGO JIMBO
  • PHOTOGRAPH YUYA SHIMAHARA

新たな冒険へ
DT117Coupeが完成して今年で5年目。カーシェアリングにはじまり、あらゆるイベントやファッション誌の誌面、はたまたミュージックビデオに登場するなど様々なシーンで活躍してきた。もはや単なるクルマというより我々にとっては仲間といったほうがしっくりくる。これもすべてイスズスポーツの全面協力の賜物。熟練のクラフトマンシップにより、特に大きなトラブルに見舞われることもなく安心して過ごせている。もちろん定期的なメンテナンスや不具合を感じた時は後回しにせず診てもらっていることは大きいだろう。そんなDT117Coupeとアドベンチャーな企画を練っていたところ、未だ雪道を走ったことがないと判明。さっそくスノータイヤとホイールセットを特別に用意してもらい、しばし雪が降るのを待つことにした。

トンネルを抜けると・・・
タイヤ交換を終え準備は万端ではあったが、暖冬の影響で大寒を過ぎても関東近郊で雪の降る気配なし。聞くところによるとスキー場でも雪不足という状況。そんな中、日本海側で大雪予報の情報を入手した我々は、翌日の早朝から都内を出発して関越道を北上することに。出発した時は見事な快晴ではあったが関越トンネルが近くなるにつれ、雲行きは怪しくなってきた。関越トンネルを抜けると雪国だったみたいなことを期待したのだが、実際にトンネルを抜けると山々の頂上や斜面には積雪が見られるものの、それほど雪はまだ積もっていなかった。そこでiPhone上で猛リサーチを行ない、積雪量が期待できそうな野沢温泉を目指した。

銀世界に佇む姿をみて
インスタグラムのスポッド検索を駆使した甲斐あって我々の予想は的中。まだ本降りではなかったが、除雪車が入ったであろう箇所を除けば所々に雪が積もっていた。できる限り新雪と思える細い農道へと進みクルマを降りた時のこと、辺り一面の銀世界に佇むDT117Coupeの姿は、これまでみた光景の中でもっとも美しいものだった。白いボディと雪の白さはまったく異なり、まるでモノクロームの世界をみているように思えたのだ。そんな光景に見とれているのも束の間、次なる撮影場所を探し、我々は温泉街やスキー場周辺へと向かった。

待ち受けるホワイトアウト
撮影を終え温泉街で昼食を済ませたあたりから、次第に雪が強まり、すれ違うクルマの数が激減したことに気づく。嫌な予感を察知した我々は立ち寄り湯に入ることもせずに野沢温泉を後にした。それから我々を待ち受けていたのは未体験のスノードライブ。ただただ真っ白な路面は、スタッドレスが路面を掴んでくれてはいるものの何処となくおぼつかなく、対向車線をすれ違う大型トラックに、時折、驚きながら夕暮れまでに何とか関越道に乗れるよう峠道を慎重にドライブ。

よりによって山間部でエンジンストールのトラブルに見舞われる。いま思うと雪が降り積もり急激に気温が氷点下となったことに加え、消費電力の高いハイビームや車内の除湿のためクーラーなどを一度に稼働させていたためオルタネーターの発電が追いつかなくなかったのだろうか。その後はエンジンがとまるようなことは起きていない。刻々とせまる夕暮れと視界を真っ白に遮る吹雪の中、迅る気持ちを抑えつつ繊細なハンドリングとアクセルワークで、何とか夕暮れ前に関越道までと辿り着いた。

一夜明けて
帰路についた翌日。またもインスタグラムのポイント検索で野沢温泉周辺の積雪状況をチェックすると、50センチ以上も雪が積もっており、もしあの時、呑気に温泉にでも浸かっていたら峠道で夕暮れを迎え帰ってこれなかったかもしれない。そんなことを思い返しつつ、同行してくれたフォトグラファー嶌原佑矢のフィルム写真を1枚ずつ眺めていると、またあの別世界へ冒険に出かけたくなる衝動に駆られてしまうのだった。


<ご予約>

DT 117Coupe*
Car Sharing: ¥12.000/day
https://anyca.net/car/11178
ご予約はAnycaのアプリをダウンロードください。
iOS:https://goo.gl/NJfnxX  | Android:https://goo.gl/o2y5Xv
貸出場所:Commune(表参道)or DRIVETHRU編集部(学芸大学)
※通常はノーマルタイヤのため雪道での走行はご遠慮ください。

Special Thanks:Isuzu Sports