HORSE
POWER

電動オフロードバイク「CAKE」

  • 2019.2.2
  • TEXT SHOGO JIMBO
  • PHOTOGRAPH CAKE (Cover, P1, P3), NAOKO AKECHI, SHOGO JIMBO (P2)

Kalkでストリートライド
取材現場にて、彼らからとても興味深い情報を入手していた。年明けにKalkの公道仕様となるニューモデルが発表されるという。ストックホルムの丘の上でふんだんにテストライドしたKalkが公道でも走行できるとならば、放っておくわけにはいかない。我々はその発表と本記事の公開を合わせることを約束に一足はやく画像を入手。そのニューモデルの名は「Kalk&」。オフロードのみならずストリートライドをも可能とする本モデルの可能性は計り知れない。では、保安パーツを装備したKalk&をご覧いただこう。

ラウンドシェイプのヘッドライトを装備した「Kalk&」はクラシカルな雰囲気であるもののLEDを採用しモダンに。ウィンカーは視認性さえ担保できれば、これくらい小さいほうがいいだろう。

新たな冒険の幕開け
3年ほど前、モバイルオフィスの企画でサンフランシスコを訪れた際、我々は予てから気になっていたALTA MOTORSへ取材に訪れた。そこで見たものは考え抜かれた生産効率と3Dプリンターを駆使した次世代マシンだった。しかしながら惜しくも昨年の夏にALTAは事実上の倒産に追い込まれてしまう。
もしも取材後すぐに何らかの企画でいち早く導入しておけばという思いもあったが、なぜか踏み出せない“何か”があった。その理由が今回のCAKEの取材を経てわかった。DRIVETHRUが考える真の次世代マシンとは、ガソリンという既存概念を効率化の名の下に電気に置き換えたものではなく、まったく新しいカテゴリーにさえも果敢に挑むイノベーティブなマシンであることを改めて気づかされたのだ。
CAKEは新たなジャンルを切り開くために主要コンポーネンツを独自開発するだけでなく、スカンジナビアデザインが宿る洗練されたデザイン力でまとめあげている。さらに既存のオフロードバイクほど過度なハイスペックマシンにはせず、一方で、MTBほど繊細でなく公道での仕様に耐えうるタフな一面もある。そんな絶妙なさじ加減でデザインされたKalkを受け入れるのは、まだオフロードマシンはおろかモビリティを自由自在に操る楽しさを知らない新世代の人たちだろう。
そう考えると21世紀を駆け抜ける人類の馬は電気を司るマシンにとってかわると我々は確信している。一足早く、我々はKalkを日本へ持ち込み新たな冒険を計画したいと思う。次回記事では、その全貌をお届けしよう!