ROUND
TWO ’18

闘志みなぎる京都決戦

  • 2018.8.9
  • TEXT SHOGO JIMBO
  • PHOTOGRAPH YUYA SHIMAHARA(Cover, P2-P5)DAIMON KANNO, SHOGO JIMBO(P1)

さらなるカスタムの境地へ
2018年開幕戦にて屈辱的な結果となったゼッケン50番のマシンを駆る神保と岡本ペアは、次戦に向けて早々に動き出した。セパハン&バックステップへフルカスタムしたことが仇となったわけだが、さらなる抜本的な改善を目指してマシンのアップデートを決断。目をつけたのは重心移動の要となるシート。昨シーズンまでは、スーパーカブのノーマル仕様だったため、重心移動が容易にできるコルクをベースにしたオリジナルシートを使用していた。一方、今シーズンよりセパハン&バッグステップになったことで、着座位置が安定しないことで、ぎこちない態勢でのライディングを強いられるため、ニーグリップはおろか、手首や肩、それに首の負荷が想像以上に大きかった。そんな中、神保は走り込んで行けば、そのうち慣れてくるだろうと楽観的であったが、オフロードのエンデューロレースの経験豊な岡本はそれを許さなかった。

以前のコルクをベースにしたシートも型破りであったが、今度は木工でできたレーシングシートを発案。奈良・東吉野にちなんで吉野杉を使用したいところだったが、転倒時の衝撃で割れる恐れがあるので合板をベースにセレクト。

木工レーシングシート誕生
新しいレーシングシート制作をすべく、奈良県・東吉野を拠点にするプロダクトデザイナー、菅野大門へ依頼。木工を使ったプロダクトを数多く手がける菅野監修の下、制作には同じく東吉野に工房を構える若手、木工家具レーベル「IZURU」が担当。一貫したクリエイティブな姿勢でモノ作りに臨む彼らにレーシングシートをオーダーすれば、必ずや期待以上のシートができるはずと我々は考えたのだ。開幕戦を終えてすぐに、東吉野の山深い工房へ運び込まれたマシンは、我々のフィードバックを受けてプロトタイプが作られていくこととなった。レース前に行ったシェイクダウン走行では、飛躍的なアップデートを体感!期待を胸に我々は次戦に臨んだのだった。

完成した木製レーシングシートを装着したゼッケン50番のスーパーカブ(C100)。前後のフェンダーはオリジナルを継承しスーパーカブの面影を残す。一方で乗り手とマシンのインターフェース部分にあたるハンドル、シート、ステップの位置は、すべて大幅にレーサー仕様へカスタム。その走りやいかに?