自動運転がリアルになった時
Cybertruck の発表から5年。テスラが自動運転を実装した Robotaxi を発表。かねてよりイーロン・マスクが Cybercab とおぼしきEVの発表を X でほのめかしていたが、遂にベールを脱いだ実車が、まさかガルウィングの2シーターというスポーツカー然とした車だったことを誰が想像できただろうか? ステアリングもアクセルペダルもないとはいえ、どことなく モデルY と Cybertruck をミックスした印象がある。カリフォルニアのワーナー・ブラザーズの撮影スタジオで行われた『WE ROBOT』と題したプレゼンテーションでは、イーロン自ら Robotaxiに乗って登場し、複数台の Robotaxi が会場をセルフドライビングで走行しているのがわかる。同時に発表された Robovan は20人乗りのコミューターで、Robotaxi と同じく、ゴールドを基調にしたカラーリングが80’s のレトロフューチャーな雰囲気を漂わせている。
テスラといえば、いち早くオートパイロットを市場投入したものの、現在は高機能版の自動運転レベル2に留まり、自動運転の分野では出遅れた印象がある。しかし今回の発表では、2026年には生産を開始し、発売まですると宣言しており、一気に最前線に踊り出ることになるだろう。まずは前哨戦として、翌年となる2025年に監視義務なしのFSD(Full Self-Driving)をテスラの全モデルに実装することもアナウンスしており、その意気込みはかなり本気だ。やはり自動運運転については賛否あるが、抜本的に交通事故を減らすにはヒューマンエラーに対してどう対処するか終わらない議論が待っている。テスラが事実上、EVシフトのきっかけを作ったように、自動運転をリアルな日常にしてしまうことはありえない話ではない。自動運転が当たり前になった時、自らドライブする歓びは、価値として認められるだろうか?