ホンダを積むヤマハのモビリティ
東京オートサロン初出展となるヤマハが、スローモビリティ向けのEVプラットフォームを使ったコンセプトカーを発表。レーシーなチューニングカーが会場内を埋め尽くす中、次世代モビリティを提案するのは、新たなビジネスパートナーの模索とカスタムに長けた来場者とのコミュニケーションが目的とのこと。今回、多彩なデザイナー陣を迎えて発表されたプロトタイプを紹介しよう。
どことなくテスラのサイバートラックを思わせる1台は、東泉一郎さんが ai を駆使してデザインしたコンセプトカー。宇宙開発の<JAXA>との仕事も手掛ける東泉さんらしく、月面ローバーのキーワードをプロットした際にイメージに近いデザインが生まれたとのこと。スタートアップ企業 Final Aim の横井康秀さんが手がけた農地の走行を想定したタフなモビリティは、設計・デザインの知的財産権をブロックチェーン上でマネジメントすることによって、より普及させることができる仕組みが盛り込まれているとのこと。一方、オールドスクールなケニーロバーツのカラーリングが目を惹く1台は、馬渕忠則さんによるカスタム精神を刺激するモビリティ。スローモビリティでありながら、モーターサイクルならではのライディング感覚が味わえそうな点が魅力。
どのモデルも、パワーユニットとなるモーターはヤマハだが、要となるバッテリーには、ホンダの脱着式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を採用。よく考えれば、この発想は、まるでホンダのエンジンを積んだヤマハのバイクのようなもので、メーカーの垣根を超えた新たなモビリティ開発が、これからの時代の鍵を握るともいえる。コンセプトモデルとはいわず、市販車となって登場する日を期待したい。
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