デビュー戦の雪辱を晴らすために・・・
悪天候の中で迎えたBOBL初参戦のラウンド1。DRIVETHRUは、なんとかスプリントレースと2時間耐久レースを完走したものの、スピードを競うストイックなレースの中で、徹底的にチューンされたマシンとそれを操るレーサー達を前に手も足も出せない結果になったことはまだ記憶に新しい。この雪辱を果たすべく、第2戦はマシンに大幅なアップデートを施すと共に、とっておきの作戦を立てて臨む。
まず、我々のマシン、Honda・スーパーカブ(C100)のエンジンを、Animal Boatの手によりエンジンオーバーホールを実施。実は、第1戦の後に、エンジンの不調が発覚・・・。“カブは頑丈”という勝手な先入観により半世紀以上も前の64年式のエンジンを酷使しすぎてしまい、オーバーホールが不可欠な状態となってしまった。だが、予てよりパワー不足を感じていたエンジンを一新することは、レースで勝つために必要不可欠なこと。それにレースレギュレーションの上限である60ccまでボアアップする日は、遅かれ早かれ早いほうがいいと決断したのだ。
もう一つは、耐久レースの増強メンバーだ。2時間だった第1戦での耐久レースは、第2戦では4時間に延長。さらに季節は7月下旬の炎天下の中での地獄のようなレースが予想される。となると、前回と同じ神保・小山田の2名体制では、歯が立たないことが目に見えている。そこで、DRIVETHRUならではな新生チームを結成することに成功。そのメンバーについては後述したい。
7周に賭けたスプリントレース
80台を超えるエントリーでひしめくBOBL第2戦。コース7周の周回のみで競うスプリントレースでは、最もベーシックな「ノーマル50ccクラス」にエントリー。同クラスのエントリーは34名と最多。なので2つのヒートに分けてレースが行われる。では、その模様を下のスライドショーよりご覧いただこう。
ダークホース的レース展開へ
予選10位という成績は、前回の最下位に比べ、格段に進歩したことに違いない。だが、いまいち納得のいかないディレクター神保。というのも、初期型カブのシフトチェンジに癖があり、ライディング中の体重移動などで、度重なる変速ミスを連発。ただ、それさえなければ明らかにもっと速く走れることを確信していた。そこで、理想的なライディングのイメージトレーニングに集中しながら、15名のライダーとマシンが待ち構えるスターティンググリッドへ向かった。
全車両のマシンのスタンバイが完了すると、小排気量なエンジンながら、レーサーマシンに相応しい、けたたましいエンジン音を轟かせ、スタートの合図のフラッグが振り下ろされる瞬間を待ち構えている。遂に、フラッグが振り下ろされ、一斉に急加速をするライダー達。一方、神保はといえば、脇目も振らず第1コーナーのインコースに目がけて、貫くような加速でライダー達の間をすり抜けていく。な、な、な、なんと!!2位以下を大きく突き放し、先頭に躍り出たのだ!
手に汗握る7分間
2周目に1位こそは奪われたものの、後続マシンの爆音が遠のいては近づくのを背中で感じながら、集中力を研ぎ澄まし、約7分間のレース中、必死のライディングで2位を守りきり見事チェッカーフラッグ!なんと初参戦から2戦目にしてスプリントレース2位という快挙を成し遂げたのだ。ここに念願の雪辱を果たしたといっていいだろう。
「Round2 – 急成長をみせた第2戦(後編)」は、真夏の4時間耐久レース模様に続く。