Mobile SS
Hinohara

動く充電スタンド完成

  • 2023.12.8
  • TEXT SHOGO JIMBO
  • PHOTOGRAPH MIE NISHIGORI

ありそうでなかった発想
世界的なEVシフトが、益々、現実味を帯びてきた一方で、なかなか進まない日本のパラダイムシフト。要因はいろいろあるにせよ、多くの人がまず口々にするのは充電インフラ問題。日本国内の移動を考えると、さほど航続距離は気にしないでもよさそうだけれど、心配性な国民性もあって、万全を期すモビリティが求めることは納得できます。とはいえ、頑なに完璧を求めていたままでは、いっこうに前に進まないので、我々なりのアイデアと発想でeモビリティが身近な存在になるよう MOBILE SS という名の移動式の充電スタンドをつくりました。
MOBILE SS とは、従来のガソリンスタンドを意味する “SS=サービスステーション” の次なる姿を目指して、“SS=サスティナブル・ステーション”と新たに命名。SS自体がモバイルすることで、インフラのない場所にでもエネルギーを供給できるだけでなく、従来のガソリンスタンドのように地域のハブとなって、新たな場の魅力を導くことが出来るという、ありそうでなかった動く充電ステーションです。

充電時間を有意義に
第一弾となる《MOBILE SS HINOHARA(モバイルSS・ヒノハラ)》では、東京都 唯一の村として知られる檜原村を舞台に、コワーキングスペース、Village Hinohara のキャンピングトレーラーにソーラーパネルと大容量リチウムイオンバッテリーを搭載し、200VのEV普通充電を可能にした移動式の充電スタンド。今回のケースでは、クリエイティブなオフィス空間を数多く手掛ける TRAIL HEADS とのモバイルオフィス OFFICE CARAVAN をベースにしており、檜原村の自然豊かな環境の中で、充電時間をワーケーションとして有意義に使うことが魅力です。またトレーラーを牽引すると、充電設備のない場所でも、EVの普通充電を行うことができるだけでなく、太陽光といった再生可能エネルギーを使うことによって、環境へ配慮した意識を高めることができる仕組みになっています。

電気はつくるものである
今回の舞台となる〈檜原村〉は、山間部に位置することもあって日照時間が短くソーラーパネルの発電量だけではEVの充電はもちろん、すべての電力を賄うことには限界が考えらる。そこで、不足した電力は100Vの家庭用電力を使って、外部電力として補填する計画です。わずかながらの発電量であっても、発電した電力を最大限に使うことに意味があり、今、実現可能な技術を駆使してSS=サスティナブルステーションを運用することの大切さを訴求していこうとしています。また今回の充電ステーションのテクノロジーは、コンバートEVの分野で活躍するOZ Motors の協力を得ており、今後、MOBILE SS HINOHARAの活動をもとに、さなる移動式の充電スタンドの構想や、再生可能エネルギーへの意識をより現実的な視点に変えていくきっかけになればとみています。

軽EVを使った実証実験もスタート
本企画では、MOBILE SSの開設に留まらず、Village Hinoharaのゲスト向けに、京都のEVメーカー GLM が新たに軽規格のEVとして取扱う MiMoS(ミモス)を投入し、檜原村周辺の二次交通手段の可能性を探る実証実験もスタート。高低差の激しい檜原村の山間部であっても、村内であれば、航続距離を気にすることなく、自由に利用することができ、細い田舎道も、軽自動車よりも一回り小さいMiMoSであれば、フットワーク軽く移動できることでしょう。事前にご予約いただければ、試乗できるので、ぜひ皆さまのご意見いただきたし。今後、あらゆるeモビリティを持ち込み、MOBILE SS HINOHARA のソーラーパネルで発電した電力を使って、電気の地産地消を実現する計画です。

小型EV「MiMoS」&ワーケーション体験(無料)
【予約フォーム】
https://calendly.com/village_tyo
【実施期間】
11月下旬〜1月上旬の予定

Village Hinohara
住所:東京都西多摩郡檜原村本宿790-2
<アクセス>
・JR武蔵五日市駅より西東京バスで25分
・中央道八王子ICから車で約40分
https://villagehinohara.tokyo

「多摩イノベーションエコシステム促進事業」
令和5年度リーディングプロジェクトとして実施中
TAMA INNOVATION ECOSYSTEM
https://tama-innovation-ecosystem.jp