これまで最も印象深いモビリティとのエピソードを教えてください。
2006年に『GUMBALL3000 ※1 』に1971年式のポルシェ911 2.7 RSで参戦したんだ。その年のラリーは、ロンドンからセルビアの首都、ベオグラードを通って、その後、輸送機に載せてタイのプーケットまで飛びタイの首都、バンコクをドライヴした後、また輸送機に載せてアメリカのソルトレイクシティへ飛んだんだ。その後、LAまでラリーをして完走。忘れもしない6日間のドライヴだった。
DRIVETHRUでは、ヴィンテージスーパーカブのレースに参戦中ですが、レースに興味ありますか?
レースはとても好きさ。ちゃんとレース活動に専念したことはないけど、レーシングカーでサーキットを走ったことはあるよ。とても刺激的だった。それとは別に、過去にピストバイクで行うストリートレーシング、Alleycat Bike Racing※2 にのめり込んだことがあるよ。実は、唯一の勝利の経験は東京でのことなんだ。バイクメッセンジャーのHalを追っかけて街内でレースをしていたんだ。最後の200mで彼はまさかの転倒をしてしまい、私は勝つことが出来たんだ。でも、どこか悪い感じがして彼に謝ったね。
もしもモビリティを作れるとしたら、どういったものを作りますか?
サーフィンとスキーのために、4×4のエレクトリックキャンパーバンしかない!ウェットスーツやグローブを乾かせるコンパートメントを用意して、電動のミニバイクを積んでロードトリップに繰り出すよ。もちろん、ホイールはブラックにペイントするしかないね!
Yorgo Tloupas(ヨーゴ・トゥルーパス)
Yorgo&Co. 代表
パリ在住、ギリシャ出身のデザイナー。2001年ロンドンにてRankinとDan Rossと共にカーマガジン「Intersection」を創刊。現在も同マガジンにて活動中。GQ、Vanity Fair、Libération等のリデザインの他、ラグジュアリーブランドをはじめ、アートやミュージックシーンにも深く関わっている。https://www.yorgo.co
※1. GUMBALL 3000
主にロンドンをスタート地点に、毎年目的地が変わって行われるインターナショナルな公道ラリー。エントリーしているのは、クルマ好きで知られるセレブリティやインフルエンサーなど。まさに映画「キャノンボール」の実写版。ネーミングの通り、3000マイルの距離を最新のハイパフォーマンスカーを駆って走行。毎年、スポンサーが異なりクルマにド派手なステッカーを施し大陸を横断。gumball3000.com
※2. Alleycat Bike Racing
主にバイクメッセンジャーなどのピストバイク乗りが行うストリートバイクレース。街中で行われ、複数のチェックポイントをクリアして勝敗を決める。ただ単にスピードが速いだけでなく、路地裏や抜け道をよく知る者に軍配が上がる。