世界屈指のカーウィークへ
サンフランシスコからクルマで約2時間。カリフォルニア州モントレーにて 8月中旬の1週間だけ行われるクラシックカーを中心としたカーイベントの数々は想像を遥かに超えるものだった。そのスケールやバラエティもさることながら、気品とユーモアに満ちた世界は、アメリカのオートモーティブな歴史とモーターリゼーションの発展と共に成り立っていることを現地にて痛感。今や下火になりつつある世界各国のモーターショーより盛況な印象だった。今回、コレクタブルカーの共同所有を手掛けるRENDEZ-VOUSチームと、老舗オークションハウスへのビッディングの密着取材として同行させてもらったが、その情報量の多さに圧倒される日々だった。まさに温故知新。モントレー・カー・ウィークで我々は未来を感じることとなった。
◾︎Pebble Beach Concours d’Elegance
モントレーカーウィークの最終日に行われる世界最高峰のコンクールイベント「Pebble Beach Concours d’Elegance（ペブルビーチ・コンクール・デレガンス）」。会場となるペブルビーチ・ゴルフリンクスは世界随一の名門コース。一年で唯一休みとなるのが、コンクール・デレガンスの日とのこと。18番ホールをメインに壮大な数のヒストリックカーがコンクールに出場し、そのコンディションや優雅さを競い合う。
◾︎Gooding & Company’s Pebble Beach Auctions
ペブルビーチ・コンクール・デレガンスの公式オークションハウスとして、メイン会場のすぐそばで行われる「Gooding & Company’s Pebble Beach Auctions（グディング＆カンパニーズ ペブルビーチオークションズ）」。ヒストリックカーから現代のモデルまで過去最高額を多く叩き出し、言わずと知れた名門オークションハウス。RENDEZ-VOUSの初のビッティングはここからスタート。
◾︎RM Sotheby’s Monterey
ペブルビーチのメイン会場から少し離れたモントレーの街中で開催される「RM Sotheby’s Monterey（アールエム サザビーズ モントレー）」は、2018年に約54億円ものプライスで落札された《フェラーリ・250GTO》が世界中で話題となった世界最大のコレクタブルカーのオークションハウス。続々と更新されるプライスレコードは世界のクラシックカーの基準に。オークション会場の活気はまさにエンターテイメントな世界。
◾︎Rolex Monterey Motorsports Reunion
ペブルビーチからクルマで30分のサーキット《ラグナ・セカ》で行われる「Rolex Monterey Motorsports Reunion（ロレックス・モントレー・モータースポーツ・リユニオン）」。クラシックなレーシングカーがサーキット走行を繰り広げ、名物の“コークスクリュー”を駆け抜ける姿は迫力抜群。そもそもラグナ・セカとはスペイン語で「乾いた湖」を意味するらしく、乾燥しきった環境でのエンジン音は、これまでに耳にしてきたいかなるエンジン音とは異なり、極めてクリアだったことが印象的。マシンの調子がどの車両も桁違いに良いように思えた。
◾︎Concours d’LeMons
気品と伝統に溢れたイベントが多い中で、ユニークなコンクールを発見！「Concours d’LeMons（コンクール・デレモン）」は、ポンコツなクルマをいい意味で競い合うコンテストイベント。《レモン》とは英語でフルーツの甘そうな見た目とは裏腹に、強烈な酸味があることにちなんで、“欠陥”や“不良品”を意味する。特にクルマに関しては“オンボロ”の代名詞。コンクール・デレモンは、映画でいうところの「アカデミー賞」に対し、その年の最低の映画作品を決める「ゴールデンラズベリー賞」みたいなイベントだろう。なんともアメリカらしいユーモアに満ちたイベントだ。
