マイバッハと電気の旅
衝撃的な Virgil Abloh（ヴァージル・アブロー）の訃報から数日。最新作「プロジェクト マイバッハ」が、まさか Virgil の遺作になってしまうとはメルセデス関係者も含め世界中の誰もが想像だにしなかったことだろう。
ダイムラーブランド最高峰＜マイバッハ＞のショーカーとなった本作は、前作のGクラス と同じく、メルセデスベンツのチーフデザイナー、Gorden Wagener（ゴードン・ワグナー）とのコラボレーションにより、まったくゼロから開発。繊細かつエレガントな印象の強いマイバッハを過酷なオフロードの環境下を想定したアドベンチャーヴィークルに見立てた発想はかなり大胆。優雅なロングノーズのフロントフードにはソーラーパネルを配したサスティナブルなEV像に導き、巨大なグランツーリスモの伝統的なプロポーションを新たなデザイン解釈に落とし込んでいる。
願わくば、Virgil には、新たなクリエイションでモビリティーシーンをさらに導いて欲しかったが、今後は彼のインスピレーションをヒントに未来を切り開いていくほかないだろう。