MOBILE BOOK SHOP

移動式本屋「BOOK TRUCK」がつなぐ本の魅力

  • 2015.7.17

幼い頃に感じた何気ない記憶は、大人になっても色褪せずに残っている。子供の頃、近所によく来ていた移動図書館のことは鮮明に覚えているというBOOK TRUCKの三田 修平さん。でも実は当時、特に本が好きだった少年なわけではなかったという。まさか大人になって自ら移動式本屋として活動するなんて思いもしなかっただろう。ただ三田さんの将来を決めるヒントになったのは、幼い頃に感じたピュアなフィーリング。

PHOTOGRAPH : YUYA SHIMAHARA, TEXT : SHOGO JIMBO

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本と共にモバイルするはじまり
BOOK TRUCKは、三田修平さんが店主を務めるモバイル・ブックショップ。もともと、蔦屋書店の先駆けともいえるTUSTAYAとスタバが初めて一緒になった六本木ヒルズのお店からキャリアをスタート。その後、インテリアショップ「CIBONE AOYAMA」のブック担当や「SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS」の初代店長を務めるなど、影響力のあるセレクト型のブックショップを歴任。
そんな中、いつも三田さんの頭の中にあったのは、自分だったらどういった本屋をすべきか。選りすぐりの書籍や海外の洋雑誌との出会いは、これまでの価値観を変えてくれるのが魅力。となると、より多くの人に知ってもらうには、どうするべきか。もっと本と人をつなぐことができないものか。考えた先に見つけた答えは、子供の頃に記憶していた移動図書館にあったのだ。

シボレー・シェビーバン(初代BOOK TRUCK)
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子供の頃に感じた移動図書館の印象は、なぜかいつもワクワク感があったという。それと同じように移動式本屋の構想は、練れば練る程、単純に楽しそうでならなかったそう。自らクルマで仕入れをして、手に入れた本を気に入ってもらえそうなお客さんのところへ販売しにいく。単純明快なこのビジネスモデルは、シンプルそのもの。
また最初に出店を考えたのは、大学構内での販売。探究心の強い学生さんたちに向けて、普段、目にすることのない書籍は、きっと将来の方向性を決定づけるきっかけになってくれるんじゃないかと思えたのだ。
そんな移動式本屋の構想に思いを膨らませると同時に、クルマ探しも始まっていたという。大量の書籍やお客さんが車内へ入れるスペースを考えると、おのずと車種は国産車では困難かと思いパワフルな輸入車へ。偶然にも中古車情報サイトでヴィンテージのシェビーバンを見つけ、さっそく遥々、熊本まで見に行くことに。さすがに、その場で即決とまではいかったそうだが、荷室の寸法やサイズ的に理想的であったこと、そして何よりクールなルックスもあって購入を決意。その後、およそ数ヶ月に及ぶ準備期間を経て、BOOK TRUCKが誕生したのだ。

いすゞ・エルフUT(2代目BOOK TRUCK)
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初代BOOK TRUCKとして2年半の間、活躍したシェビーバンは、度重なるメカニカルトラブルに悩まされ、最終的に乗り換えを余儀なくされる。とはいっても、シェビーでの活動は成功だったという。独特な存在感を放つシェビーバンは人を惹き付けるだけでなく、三田さんの渾身の本のセレクトを主役に引き立ててくれた。移動式本屋として認知されるのにも時間はかからなかったという。そんな初代で培った経験を踏襲すべく、今度は整備性にも優れた「いすゞ・エルフUT」をチョイス。このクルマ選びは初代のシェビーバンに増してかなりDT度が高い。DRIVE THRUでもお馴染みの117クーペをはじめ、いすゞならではな洗練されたデザインを商業バンのカテゴリーで実現している。クルマ選びにおいても三田さんのセンスは健在だ。

本とクルマ
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考えてみると、本とクルマは似ているかもしれない。どちらも興味がない人にとっては、ただ面倒な存在。昨今、ソーシャルメディアやスマホの登場によって、情報は瞬く間に次から次へとやってくる。それと同様に、移動手段も交通網の発達した都市部では、わざわざ運転するよりも公共機関を利用したほうが、時間もコストも無駄なく目的地に到達することができる。
どちらも便利になっていることは間違いないが、必ずしも生活を豊かにしているとは限らない。例えば、BOOK TRUCKでいうと、三田さんが一手間を加えたセレクトによって、本との向き合い方をよりよく紐解いてくれている。また、それはエルフUTの中や周囲の限られたスペースに適度に収まる本の数々が、自分のペースで本と接することが出来るからかもしれない。

DRIVE THRU × BOOK TRUCKのモバイルブックショップ
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所謂、通な“本好き”をも唸らしつつも、本に興味のなかったお客さんにもファンを増やし続けるBOOK TRUCK。そんな独特なバランス感覚で本の魅力を伝える三田さんに賛同すべく、DRIVE THRUでは『MOBILE BOOK SHOP(モバイルブックショップ)』と題し、期間限定の移動式本屋をCOMMUNE246で開催。乗り物にも必ずや通じる“乗り手”や“読み手”に届けるための一手間をBOOK TRUCK三田さんと一緒に迫ってみたい。

DRIVE THRU Presents
『MOBILE BOOK SHOP』by BOOK TRUCK

会 期
2015年7月18日(土)
2015年7月19日(日)
 
場 所
COMMUNE246
東京都港区南青山3-13
※エアードーム奥のDTエキシビジョンスペース
 
時 間
11時~22時

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