This is TAXI DRIVER

タクシードライバーの魅力

  • 2015.4.30

いつも思うのだが、タクシーの魅力はハードウェアとしての便利さだけではない。電車やバスに比べドライバーとの距離が近い分、彼らとのコミュニケーションを存分に楽しめるのだ。今回は、ユナイテッドキャブが誇る名物ドライバーの2人に会いに再び鴬谷に向かった。

PHOTOGRAPH: SHOGO JIMBO, TEXT : KEI TAKAKUWA

東京の街を走り続けて46年
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ユナイテッドキャブに到着すると、そこにはボルサリーノのハットを被ったダンディーな男性が待っていた。今年でドライバー歴46年の飯塚さんだ。イエローキャブのカラーリングと相まって、ユナイテッドキャブのパーキングではNYのダウンタウンな雰囲気が充満している。飯塚さんは、このカラーリングの記念すべき1台目を担当している名物ドライバーだ。無事故・無違反を持続し続け、プロ中のプロであることを証す国土交通大臣表彰を受賞している。

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そんな飯塚さんがタクシーに乗り始めたのは、やはり「クルマが大好き」だから。元々は、他職種に従事していたが、そのピュアな自分の気持ちを信じ、一念発起して転職したという。しかし、タクシーはクルマ好きとしてただ運転していれば良いわけではない。それは、運輸業でありながら接客業でもあるからだ。飯塚さんはお客さんに心地よい空間を提供するために、接客業の基本中の基本として誰よりもクルマをキレイに保つよう心掛けている。クルマがキレイだとお客さんとの会話も弾むし、お褒めの言葉をいただけて仕事の励みにもなるとか。

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飯塚さん曰く「シートカバーの取り付け方を見れば、ドライバーの人間性が分かる」とのこと(笑)
ニューヨーカーなタクシーと一緒に、ベテランタクシードライバーの細やかなサービスを体験したくなったら、いつも客待ちをしてるという日暮里駅に行ってみてるといいだろう。

タクシーは人生の縮図
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2人目はチャーミングな笑顔が印象的な工藤さん。数年前まで他のタクシー会社にいたが、ウェブ上でカスタムされたユナイテッドキャブのY31セドリックを発見し、一目惚れして移籍してきたそう。実際にイエローキャブ仕様のタクシーを運転していると、街中でカメラを向けられることは日常茶飯事。時には「SNSに投稿して良いか?」と確認してくるお客さんもいるという。そんな工藤さんの目標は、ポルシェ・パナメーラで個人タクシーを営むこと!

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元々、夜の接客業をしていた工藤さんは、サービスにも人一倍気を配っている。「可愛い女の子が手を挙げて止めてくれるでしょ?そんな時は迷わずこうやってアメ玉を差し上げるんです。」と、工藤さん。タクシーはお客さんが乗車してからの15秒が勝負。そこでがっちりハートを掴めれば、お客さんにとっても“単なる移動”ではなく“楽しいドライブ”になるのだ。
お客さんと会話が弾むと、「大変な仕事ですよね」と言われることもあるが、微塵にもそんなことを感じたことは無いという。運転席にいれば上司に気を遣う必要も無いし、部下から突かれる心配も無い。ガレージを出れば、あとは自分次第なのだ。

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取材後に、工藤さんとユナイテッドキャブ社長の染谷さんと一緒に1枚。(飯塚さん写ってなくてゴメンナサイ!)NYCのイエローキャブに魅せられた社長の拘りを乗せてタクシードライバーを全うする工藤さんや飯塚さん。彼らのチームプレイとも言うべきタクシーを街角で見かけたら、ぜひ捕まえてみて欲しい!