Lika a TOYOTA 2000GT

ヨーロッパ的な質実剛健さと日本の無駄を省いた機械的な美しさ

  • 2014.11.17

マットさんの最初のデザインコンセプトが届いてから程なくNYLON JAPAN編集長、戸川さんより、これまたブレのない回答が返ってきた。驚くことに今回もまたメールをそのままシェアしなくてはわならない内容だ。なぜなら、戸川さんのV-Max衝動買いのワケを紐解くきっかけをDRIVE THRUは感じとったからなのだ。
TEXT: SHOGO JIMBO

 
Hi Matt,

デザインイメージどうもありがとう!さすがマット!と思いました。
ただ、これはこれでとても素敵なのですが、僕のイメージするところと少し方向性が違うかな、いうのが正直な感想です。下記に意見をまとめますね。

<イメージ>
1967_TOYOTA_2000GT

※ヤマハ発動機・コミュニケーションプラザ 展示コレクション画像より

V-Maxデザインのイメージソースまで遡ってもっらてるのには感服しました!なんですが、アメリカのドラッグスター感は、ちょっと避けたいなあと・・・。どちらかというと、元々そういうコンセプトで作られたものを、むしろ「ヨーロッパ的な質実剛健さ&センスと、日本の無駄を省いた機械的な美しさ」を強調させたい。とにかく「シャープなグラマラスさ、OLD感と未来感の融合」、みたいな感じのイメージです。例えば、トヨタ2000GT的な。

●4つのカーブフィルターをタンクの真ん中に置きマッスルカーをイメージ。
→ タンクの曲線的なものは生かしたい。タンク上部もシンプルにしたいので、このアイデアじゃなく、サイドのエアインテーク(カーブ?)をスマートに生かしたい。もしくは作る?
●フレームラインはリアルフレームを生かす。
→ 賛成です。
●サイドカバーはゼッケンプレートのように。
→ ここも、もっと小さくあまり主張しない感じがいいです。
●ハンドル・スピードメーターを低くし、見た目の車高が低くなるので、さらに速さをイメージさせます。
→ 賛成です。

もしかしたら、V-Maxという素材自体がとてもカスタムしにくいものなのかもしれませんが、ミニマムな変更で細かい部分をセンス良く見直すことで、グッとオンリーワンな感じになるのではないか、と思ってます。具体的には、ハンドル、ライト、ウインカー、メーター周り、シート、タイヤガード、そしてホイールもスポークにするなど、かなと。シートは以前計ってもらったように、僕のサイズに合うように少し低くしてもらえると嬉しいです。

そんな感じで、再度考えてみてもらえると嬉しいです!

よろしくお願いします!

戸川

※NYLON JAPAN編集長、戸川貴詞よりスピードトラクターのマットに宛てられたEメールより

コンセプトの例にあがったトヨタ2000GTといえば、V-Maxと同じヤマハ発動機がトヨタと共同開発で生産した日本を代表するスーパーカー。ヨーロッパの高級車に対向すべく、並々ならぬ努力と情熱を持って開発されたクルマだ。内装のウッドパネルには、ヤマハのピアノのウッドを使っていたりユニークな点がドラマを感じさせる。そう考えると、V-Maxもまた北米市場に向けた1台。どちらにも共通するのはサムライのような存在感であろう。もっと言えば、スピードトラクターのマットさんもオーストラリアから離れ異国の地でバイクビルダーとして活躍しているサムライだ。そんな共通点を感じて、何か途轍もない新しいデザインが誕生しそうな予感がするのは、DRIVE THRUだけだろうか?次回、マットさんのデザインスケッチに目が離せない!