群になったニュークラウン
2025年春より「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の選考委員を務めることになり、これまで以上に多くの車をドライブすることになりそうなので、印象が鮮明なうちに記録する意味も込めて、本記事とポッドキャストにて紹介していきましょう。記念すべき第1回目は“いつかはクラウン”として日本人に愛され続けてきた《トヨタ・クラウン》。今や16代目となり、今年で70周年を迎える。クラウンといえば、シティーポップ真っ盛りのバブル期に驚異的なセールスを記録し、セダンの代名詞であり続けた偉大なる日本車だが、今やグローバルで多様性を重視する世の中の変化を映し出すかのように、最新モデルにはセダンを進化させた〈クロスオーバー〉をはじめ、〈スポーツ〉〈セダン〉〈エステート〉の順に4つのモデルがラインナップ。これらを総じてクラウン群と呼び、どのモデルもクラウンらしさを示す「クラウンネス」を軸に開発されているという。
実際にクラウン群の4モデルに乗ってみたところ、まず印象的だったのは〈クロスオーバー〉。スタイリングと走りも軽やかで、現行モデルのシンボリックな存在感があり、まさに型破りなクラウンそのもの。続いて〈スポーツ〉は、SUV色が強めではあるけれど、あくまでスポーティであってスポーツカーほどのストイックさではないところがクラウンネス。さらに今年3月に発売となった〈エステート〉は、ラゲッジスペースを拡大しユーティリティを高めた点がシューティングブレイク的な要素を持つ。
今回、最も印象深く感じたのはセダンだった。悪天候の中での試乗ではあったが、極めてしなやかな乗り味とクラウンにしかない控えめながら日本的な高級感を最も直感的に感じられるのは、やはりセダンに他ならなかった。かつて存在したロイヤルサルーンの響きが宿る車こそクラウンであることを改めて痛感させていただいた。この感動はポッドキャストからもぜひご視聴ください。
☑︎#1|TOYOTA Crown Estate
★★★★★☆☆☆☆☆:INNOVATION(革新性)
★★★★☆☆☆☆☆☆:FEELING(フィーリング)
★★★★☆☆☆☆☆☆:DESIGN(デザイン)
★★★★☆☆☆☆☆☆:PERFORMANCE(運動性能)
★★★★★★☆☆☆☆:SUSTAINABLE(環境性能)
★★★★★★★☆☆☆:UTILITY(ユーティリティ)
★★★★★☆☆☆☆☆:VALUE(コスパ)
★★★★☆☆☆☆☆☆:RECOMEND(レコメンド)
〔BRAND〕トヨタ
〔MODEL〕クラウン エステート Z(ハイブリッド)
〔POWER〕2487cc / 243HP
〔PRICE〕¥6,350,000 〜
〔TEST DATE〕:2025年4月3日(木)
〔LOCATION〕:神奈川県箱根