Summer
Memory

『CALMA』の仕業

  • 2018.9.19
  • TEXT SHOGO JIMBO
  • PHOTOGRAPH YUYA SHIMAHARA, FUN RIDE FESTIVAL

アートを“狩る”男
BOBLへの道のチームメンバー、岡本亮は類い稀な存在である。彼は兵庫をベースに活動しているが、都内はもとより日本各地で会う機会が極めて高い。単純にフットワークが軽いといえばそれまでだが、どんな時でも本能の赴くままに行動できる彼の姿勢は表現力と直結している。そんな岡本が昨年、立ち上げたアートブランド『CALMA』は、岡本の行動をより広義な意味でブーストさせるアートプロジェクトといえよう。主なフィールドは山、川、海と多岐にわたり、時にオフロードバイクにまたがりエンデューロレースに熱中する日もあれば、時としてヤスを片手に川へ潜って魚を突いてみたりとかなり狩猟的。

ここで紹介する数枚の画像は、今年7月初旬に行われた『Dawn of a new tribe』と題して行われた東京エキシビジョンの模様だ。この展示を皮切りに、日本各地でその土地土地にちなんだ展示を計画中。全貌は、ぜひ、その足でみていただきたいが、我々は東京エキシビジョンのホスト役として、初日のオープニングイベントをサポート。タクシードライバー扮するTAXI BOY高桑を引き連れ、いすゞ・117クーペオリジナル行灯を乗せて、ゲストを会場まで送迎するパフォーマンスを敢行。タクシーにあるまじき2ドアクーペでギュウギュウの車内に押し込まれた来場者たちは、数キロ離れた会場までTAXI BOYの解説により事の次第を得るというもの。

一方、CALMAの展示でオフロードへの関心が最高潮に達した我々は、岡本に誘われるがままに、夏真っ盛りの8月に糸魚川で行われたオフロードイベントへ足を運んだ。すると、これまでのヴィンテージマシンを操るプリミティブな楽しさとは違い、自然と対峙したよりスケールの大きなフィールドでのマシンと乗り手の関係性に気付かされた。

ここ最近の異常気象をみても、自然環境を意識したモビリティコンテンツの必要性を痛感。この展示を機に新たなプロジェクトの始まりを予感させることとなった。そんな我々の脳裏に爪痕を残したCALMAの次なる展示は、鍛治工芸で知られるモノづくりの街、新潟県燕三条市で10月4日から。お見逃しなく!


CALMA –  Nigata Exhibition
2018年10月4日(金)- 10日(火)
at 三条スパイス研究所
〒955-0072
新潟県三条市元町11−63
10:00 – 20:00
※会期中岡本亮二十四時間在廊予定
http://c-a-l-m-a.jp