High Voltage

zecOOデザイナー、根津孝太がZZをドライブ

  • 2016.3.18
  • TEXT SHOGO JIMBO
  • PHOTOGRAPH SHOOT KUMASAKI

EVを筆頭に、ハイブリッドカーや燃料電池車など、環境性能にフォーカスされがちなジャンルのエコカー。一方、ゼロエミッションでありながらも、むしろクルマ本来のダイレクトな走りを追究するGLMの『Tommykaira ZZ(トミーカイラ・ズィーズィー)』(以下、ZZ)は、EVスポーツという名の新たなジャンルを切り開く貴重な存在。
そんなZZを4輪部門の日本代表選手に例えるなら、2輪部門の日本代表選手にあたるのは、昨年、遂に量産販売を開始した「zecOO(ゼクー)」。となれば、zecOOの生みの親であり、znug design(ツナグデザイン)の根津孝太氏と一緒に、イノベーションナルな2台の魅力に迫ってみたい。

_DSC5108_

根津さんは、愛・地球博の「i-unit」のデザインをはじめ、話題のコンセプトカーを数多く手掛けてきた元トヨタのカーデザイナー。独立して、現在のznug designを設立後も、トヨタが子供のために作ったコンセプトカー「Camatte(カマッテ)」やタミヤのミニ四駆のデザインに至るまで、遊び心を感じさせる一大プロジェクトに多く携わっている。中でも、最も根津さんを象徴するのは、zecOOの存在。コンセプトカー顔負けの電動バイクを自ら企画し、実際に量産体制にまで展開させるチャレンジングな姿勢は、日本の新たなモビリティの未来を背負っているといっていいだろう。

ZZとzecOOの待ち合わせに相応しい場所

通勤ラッシュで混み合う月曜日の早朝。zecOOに跨がって来た根津さんと共に、都内からZZと落ち合うために向かった場所は、東京湾アクアライン「海ほたるパーキングエリア」。東京湾に浮かぶ人口島こそ、日本発のEVスポーツ史の始まりに相応しい場所。そう、マンガ『AKIRA』の“ネオ東京”!

※サムネール画像をクリックするとキャプションが表示されます

_DSC4596_

この日のために京都からやって来たZZを目の前に、リアフードを開けてミッドシップにマウントされたモーターやバッテリーを興味深く覗き込む根津さん。zecOOの開発コアメンバー、オートスタッフ末広の中村さんも後から駆け付け、熱心に2人でZZの作り込みの良さに感心し尽くしていた。では、実際に根津さんにZZをドライブしていただこう。

_DSC4693_

DRIVETHRU(以下、DT):ZZのファーストインプレッションはいかがでしたか?

根津孝太(以下、Nezu):まずデザインの話ですけど、カッコいいだろうとは思っていたんですが、実車は想像していたよりも遥かにオーラがあって、ずっと魅力的ですね。特にフェンダーのラインとか、ものスゴくセクシー!自分でもモノを作るので良くわかるんですけど、パーツのあわせ方が精緻で、細かいところまで計算し尽くされていて、すごくリスペクトしちゃいますね。軽量な外装ボディから、アルミ製の美しいシャシーフレームがのぞいていて、ドライブする前から作りの良さをビシビシと感じてしまいますね。

DT:実際のZZのドライビングフィールはいかがでしたか?

Nezu:zecOOと同じ電気の乗り物なので、想像できる部分もあったのですが、ドライブしてすぐに感じたのは、ZZは予想を遥かに超えたロケットだということでした。4輪なので、後輪2つでグーっと前に出て行く感じは、バイクとはまた違った加速感で楽しめますね。それに低い着座位置とフレームに囲まれているような感覚がアドレナリンを分泌させます!最初にちょっとイタズラゴコロでパクン!とアクセルを踏んだら、予想通りの結果になりました・・・。ゴメンナサイ。(笑)

_DSC4932_

一方で、乗りにくいかっていうと、そんなことはまったくなくて、ステアリングとアクセルのバランスを取っていくと、ほんの少しテールが滑るか滑らないかぐらいで気持ち良くコーナーを曲がっていける。ただ単に電動にしてみましたということではなく、スポーツカーとしてキチンと作りこみをしていることが伝わってきて、たまらなかったです。ついアクセル踏みたい衝動に駆られてしまいますね。(笑)

最近のクルマにはいろんな機能が搭載されていて、それがある意味スタンダードになっているんですけど、ZZは純粋に走ることに特化していて、余計なものは何もない。屋根すらついてないわけですけど、それで全然いいなと思いますね。ストイックというより、「あ、クルマって本来こうだよね!」みたいな感じ。意識してストイックにしてるっていうことじゃなくて、むしろ最近のクルマの当たり前が、いろんなものが最初から付いてるっていう方にシフトしすぎている気がしていて…。ZZをドライブしていると「そうそう、これでいいじゃん」って改めて感じます。

DT:仮にZZを手に入れたとしたら、どういった過ごし方を楽しまれますか?

Nezu:やはり、どうしたって目立つ乗り物なので、みんなに見せびらかすっていうのは基本ですね!(笑)人それぞれに楽しい使い方が、色々あるんじゃないかと思います。視線を浴びながら街中を走ったり、サーキットでスポーツ走行を楽しんだりするのはもちろん、急速充電器がついているので、クルマのお腹の空き具合にあわせて、ちょっと寄り道の多いツーリングをしてみるのも、想像するだけでワクワクしますね。どこに行ってもみなさんの注目の的になるでしょうから。(笑)

DT:まだZZを運転されたことのない読者の方々へお伝えすべきことはありますか?

Nezu:zecOOもZZも両方とも電気の乗り物なので、どうしても航続距離が泣きどころ。でもZZにはそんなのどうでもイイヤ!と思わせる魅力がたっぷり。美味しいところを知って、美味しいところだけを味わうっていうのが基本だと思います。しかも、これから急速充電が増えてくれば、使い方の幅はグンと広がっていきますよね。そう考えると、ますます電気の乗り物は楽しい乗り物なのです☆

_DSC4683_

根津 孝太
クリエイティブ・コミュニケーター/znug design代表

1969年東京生まれ。千葉大学工学部工業意匠学科卒業後、トヨタ自動車入社。愛・地球博『i-unit』コンセプト開発リーダーなどを務める。2005年(有)znug design設立、多くの工業製品のコンセプト企画とデザインを手がけ、企業創造活動の活性化にも貢献。2012年電動バイクzecOOを発表、2015年量産販売開始。2016年4月ミラノサローネ出展の「トヨタ・SETSUNA」ではデザインを担当。2014年よりグッドデザイン賞審査委員。

 

SPECIAL THANKS : GLM, znug design, GTS, AUTOSTAFF SUEHIRO, Haletoke

MAIL MAGAZINE