年の瀬にぎわう2014年の暮れのある日。ノルウェーから遥々ひとりで旅して来たのは、写真科を専攻する美大生。彼の名前は、Numi Thorvarsson(ヌミ・ソルバッソン)。日本にやって来た理由はただ1つ。デコトラのルーツを探るため。そんな彼がネットでリサーチを重ね続けた結果、最後に辿り着いたのは、DRIVETHRUのYOTTAの記事。すぐメールでコンタクトをしてきた彼に対し、最初に彼が尋ねてきたことは、YOTTAと何処で接触できるのか。そこで我々は、GPSを搭載した彼らのデコセンチュリーは営業中(アート活動中)であれば、常に現在位置をサイト上で公開している事を伝えた。さらに、もう1つ、とっておきのイベントの存在を彼に知らせた。映画『トラック野郎』で主人公を演じた菅原文太の追悼イベントが、大晦日に利根川のほとりで行われるというもの。噂では1000台にも及ぶデコトラが全国から集結するという。「こんなチャンスはもう二度とないかもしれない」我々の言葉を頼りに、彼はスエーデンから日本へやってきたのだ。日本到着するや否や、我々に会いにCOMMUNE246まで尋ねて来てくれた。そこで彼が見せてくれた彼がこれまでに撮影した写真の数々は、どれも繊細でアンビエントなフィルムフォトグラフィーだった。もし彼が煌びやかなデコトラを撮影したらどういったものになるか、自然と興味が湧いたのだ。そこで我々は、年末のイベントを代わりに取材してきてもらえないかと彼に依頼。これから紹介する写真は、すべてNumi本人による渾身のデコトラフォトアーカイブス。すべての撮影はデジタルカメラではなく、フィルムカメラによるもの。北欧生まれの彼の目に映った日本独特な冬空の下に佇むデコトラをぜひご覧いただきたい。きっとデコトラの新しい見え方を感じてもらえるだろう。
Tokyo