IKEBANA meets Katers

花道家、上野雄次とケーターズの限界号はじまる

  • 2015.4.29

ここに1台、軽のワンボックス、ホンダ・バモスがある。青山Farmer’s MarketCOMMUNE246を運営するメディアサーフコミュニケーションズが、これから始めるクラフトフードのケータリングサービス「Katers(ケーターズ)」で使うクルマだ。失礼ながら、聞けば4WDなのと5速マニュアルなのは良しとして、明らかにフツーのクルマだ。ただ、このクルマの前に立つ男、花道家の上野雄次。これから彼と共に新プロジェクトを始めようとしている。
PHOTOGRAPH : SHOGO JIMBO, YUYA SHIMAHARA, TEXT : SHOGO JIMBO
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限界号、再び!?
これは2年前の上野さんの愛車の様子。車種がトヨタ・カルディナであることは、さておき、屋根の上に乗っかっている巨大なモノは一体!?
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「限界号」と名付けられた上野さんのクルマは、古くから存在する御所車に生け花を施した『花車』を現代版として表現したアート作品だ。ルーツとなる花車は、本来であれば屋内に佇む生け花の静的な印象をモバイルさせることによって、当時の人々に途轍もないインパクトを与えた。一方、上野さんの花車はというと、ルーツに匹敵するインパクトを感じてもらうため、本来の豪華絢爛な生け花ではなく、日常に存在する素材を使用して新たな生け花の表現方法に挑戦している。また驚くべきことに、上野さんは限界号を普段のアシとして都内で使用している。きっと渋谷や青山界隈で見かけたことのある人も多いだろう。

森の再生と里山づくり
本プロジェクトの舞台となるのは、神奈川県の湘南国際村の中にある「森と畑の学校」。かつてゴルフ場や住宅地として開発されていたものの、1,500坪にも及ぶ広大な敷地がバブル崩壊後、長らく放置されていた場所だ。
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そんな土地で新しい農業モデルを実践しようと森の再生と里山づくりを起こす取り組みがはじまっていた。その情報をメディアサーフのメンバーから聞いたDRIVE THRUは、彼らと共に現地視察を兼ねて訪れたのだった。実際に足を踏み入れてみて、すぐに頭に浮かんだのは、上野さんの限界号のことだった。もしも葉山の里山の素材で生まれた限界号が、都内と葉山を頻繁に行き来していたら・・・。DRIVE THRUが伝えたるべきインスピレーションに満ちた “クリエイティブな移動” をリアルに発信することが出来るのではないか!?

素材の宝庫見つかる
ダメもとで上野さんにオファーしてみると、すぐに二つ返事で承諾してくれた。そうとなれば、まずは現地をみてもらうべく、素材となる植物が実際にあるのか上野さんと再び現地へと向かったのだ。
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到着すると「森と畑の学校」を運営する農業生産法人パラダイスフィールドの伊瀬知さん(右)が敷地内の特徴を説明してくれた。どうやらまだ手つかずとなっているところは敷地を取り囲むようにそびえる崖の周りにあるようだ。

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伊瀬知さんから教えてもらった通り、崖の付近を歩き回ると、上野さんを唸らせる植物が多く生息していのだ。樹木とツルの成長の過程に生まれた独特な曲線美など、都内からおよそ1時間の場所に、限界号を作るための素材の宝庫が見つかったのだった。

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おそらく、簡単にDRIVE THRUで完成予想図をデザインするとこんな感じになるだろう。葉山に生息する植物や軽自動車のキャパシティを考えるともう少し小柄になるかもしれない。

ミシュラン2つ星シェフによる『畑の食卓』にてお披露目
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本プロジェクトでは、ミシュラン2つ星に輝く気鋭のフレンチ・シェフを招いてメディアサーフが主催する食事会『畑の食卓』にて、限界号の完成披露を予定。限定100名の特別ディナーは、すでに予約は満席となっているが、この日を皮切りに、Katersのオフィシャルトランスポーターとして限界号が都内と葉山をつなぐことになるのだ。(ディナー当日は、限界号がアッと驚くトランスフォームをするかも!?)
次回レポートでは、限界号の制作模様をお届けしよう。お楽しみに!