Round4

波乱に満ちた最終戦(前編)

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  • 2016.12.21
  • TEXT RYO OKAMOTO
  • PHOTOGRAPH YUYA SHIMAHARA

バイクレースに魅せられて
日頃、オフロードレースに夢中になっている僕、岡本 亮の2度目のオンロードレースが始まった。正確にはDRIVETHRUへチーム入りしたのは、前戦のRound3からだが、エンデューロレースによる骨折でレーサーとして参戦できずにいた。つまり本戦が実質、初めてのオンロードレースとなる。やはり広大なフィールドを舞台に戦うオフロードと比べ、オンロードのコースは狭い。実際にサーキットを走るまで、狭いコーナーを何周もグルグル回るだけか、、といった印象が拭いきれないでいた。とはいえ、ぶっつけ本番でレースに臨むのは、さすがにマズいだろうとDRIVETHRUを率いる神保くんに相談し、長野でのレースの帰り道に今回の舞台となる白糸スピードランドに立寄り練習走行へ挑んだ。
見ているだけだと、それほど速くなさそうなスーパーカブも、いざレーサーとしてサーキットを走ってみると相当なスピード感に驚いた。小柄なボディのせいか路面の振動がダイレクトに伝わってくる。時速50キロほどのスピードでも曲がりきれないコーナーが多々あるのだ。走り初めてすぐに、オンロードの洗礼を受け、その興奮と共に美しい富士山の麓のサーキットを後にした。

レース当日、雨
世界で最も予報しにくいに日本の天気は奇しくも大ハズレ。さらに気温は予想より遥かに低い。小雨と霧が立ち込めた森を抜けると、その先にサーキットがある。既に多くのライダーが会場入りをし、まだ静かなサーキットは重厚な空気に包まれていた。モバイルカフェレーサーを謳う「ToGo.」を連れた我々DRIVETHRUチーム一行は、レースの準備はもちろん、カフェのオープン支度もミッションに含まれる。冷え込んだ体にハンドレバー式のエスプレッソマシンで淹れたコーヒーを飲めば、カフェインの力で寝ぼけた頭が冴え渡ってくる。
無事にレギュレーションに基づいた車検をクリアすると練習走行が開始。エンジン音が冷えた空気を切り裂き、次第に体からアドレナリンが分泌されはじめる。各マシンのウォーミングアップが終わり、レースプログラムが一気に進行していく。しかし、走行中に何処かのマシンから大量のガソリン漏れが発覚。サーキット一面に玉虫色のガソリンの跡が、ちょうど理想的なラインとでもいうべき具合に敷かれていた。主催者は路面状況が危険と判断し、すべてのマシンの点検を促すが、肝心のマシンが最後まで見つからない。ひとまず、レースは第1ヒートへと進んでいく。気がつくと、雨は止んでいた。
薄霧の中、エキスパートなレーサーが凌ぎを削るGPクラスがスタート。2016年を飾る最終戦が幕を切ったのだ。しかし事件は早々に起きた。練習走行で発覚したガソリン漏れによる路面の悪影響で、レース最速を誇るアニマルボートの武笠さんがまさかの転倒。レッドフラッグが振られ、続行は不可能となりレースは中断。すぐさま救急車で病院送りとなる。改めてすべてのマシンのガソリン漏れを探すこととなるが一向にマシンは見つからない。一見、ガソリンはすぐに気化するものだと思われがちだが、当日の路面はウエット。水分を含んだ空気に押さえつけられ路面の乾きは遅く、ウエットな路面とガソリンの相性は、まさに“水と油”。ブーツの裏でもヌルヌルとした路面状況が容易に確認できてしまう。それでも路面の回復を確認しつつ、十分なテスト走行の上、レース続行の判断が下り再びレースは始まった。10月下旬の冷え込んだ空気が緊張感を増して重い空気を運んでくる。我々は滑りやすい路面と転倒への恐怖心で縮こまっていた。そんな中、またしてもベテランレーサーが第一コーナーで大転倒。2台目の救急車が来ることになる。目の前を担架で運ばれるレーサーを目に、我々はこの上なく恐怖に怯えた表情を見合わせたのだった。

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きっと、この路面は思ったほどもう滑らない
一向に晴れ間のみえない森の中のサーキット。厚い雲に覆われて当然ながら富士山は見えそうにない。散々な空気が立ち込める中、レースプログラムはノーマル50ccクラスのスプリントレースへと突入。我らがリーダー神保くんの出番がやって来た。青ざめた表情でコースインしていったものの、いざ走り出すと着々と順位を上げ、決勝のスターティンググリッドへ。肝心のスタートこそシフトミスで出遅れたものの、周回を重ねる彼の走りを見ているうちに我々の恐怖心は次第に和らいでいった。前を走るレーサーと後続のレーサーを牽制しながら、一心不乱に走るその姿に転倒の恐怖は微塵も感じられない。その証拠に、レース模様をまとめた映像をご覧あれ!

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Round4(後編)は、耐久レースの模様に!

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